1 0 0 0 OA 野鳥の病理

著者
久保 正法 谷村 信彦 後藤 義之
出版者
農業技術研究機構動物衛生研究所
巻号頁・発行日
no.111, pp.9-20, 2005 (Released:2011-03-05)

2002年11月1日から2004年3月31日までに,270羽の野鳥について病理組織学的に検索した。陸鳥204,水鳥30,水辺16,海鳥18,不明が2であった。ウイルスの関与が確認できた症例は2例であり,1例はハトヘルペスウイルス感染症であり,他の1例はスズメのポックスであった。原虫感染としては,コクシジウム感染が22例,atoxoplasma感染が4例,Haemoproteus感染を疑う症例1例,住肉胞子虫感染1例およびトリコモナス感染が1例であった。寄生虫は101例で観察された。寄生虫は1種類だけでなく,2種類,3種類と複数の種類が感染しているものもあった。アミロイド症は18例に見られ,海鳥7,水鳥8,陸鳥3例であった。心臓の病変としては24例にみられた。細菌感染が疑われた症例は14例であり,心外膜炎,膿瘍,敗血症等と様々な病変がみられた。腫瘍は7例にみられた。