著者
八塩 圭子
出版者
東洋学園大学
雑誌
現代経営経済研究 = Toyo Gakuen University business and economic review (ISSN:13492004)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.31-52, 2022-03-31

ファッションサイクルを形成するような一過性の概念である経営手法は,「マネジメントファッション」と定義され,ビジネスメディアやコンサルティングファームなどの流行の担い手である「ファッションセッタ―」によって企業に推奨される.本稿では,近年注目を集めるSDGs(持続可能な開発目標)をマネジメントファッションと捉え,各種メディアにおける出現件数を時系列で調査した.その結果,ファッションサイクルのうち,「プレブーム期」を経て,流行が急拡大する「ブーム期」に入っているという進行状況を把握した.また,活字メディアだけでなく,テレビ,インターネットにおいても同様の出現状況が見られたことで,先行研究で触れられてこなかったファッションセッターとしてのテレビ,インターネットの役割に,ある一定の可能性を見出せた.その上で,SDGs に固有の現象として,流行プロセスに一般の認知や関心も関わってくる可能性を指摘した.
著者
八塩 圭子
出版者
東洋学園大学
雑誌
現代経営経済研究 = Toyo Gakuen University business and economic review (ISSN:13492004)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.1-30, 2020-03-30

本研究では,サービス・マーケティングにおける文化芸術分野の研究として,クラシック音楽祭の来場者調査を実施し,品質評価が顧客満足に影響を与え,推奨意向,ロイヤルティへつながるという関係性を明らかにした.当該音楽祭の品質は,サービスの3 つの階層に適応した「中心価値要素」「付随価値要素」「付加価値要素」とサービス・マーケティング・ミックスの1 要素である「コスト要素」という4 つの評価カテゴリーにより評価されていることがわかった.音楽や演奏者の質などの「中心価値要素」,雰囲気や食事情などの「付加価値要素」の順に顧客満足に与える影響は大きく,この順位は,音楽祭の来場経験やクラシック音楽の愛好度,性別などの属性により変化することが明らかになった.