著者
牧野 由加里
出版者
人間総合科学大学
雑誌
人間総合科学 (ISSN:18831907)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.27-35, 2021-11-20 (Released:2022-11-17)

少子高齢化の進むわが国において,介護離職は大きな問題となっている.とくにその数の不足が問題となっている看護師の介護離職は,看護師一個人の問題であると同時に一般労働者の介護離職につながる問題でもある.そこで,看護師の就業と介護の両立に関する研究の動向を整理し,今後の研究課題を明らかにすることを目的に文献検討を行った.その結果,以下のことが明らかになった.就労と介護を両立している看護師像は,40~50歳代で,交代勤務をしながら,介護保険サービスを利用し,就労と介護との葛藤を抱え,選択の狭間で揺れながら自分の親を介護している,である.就労と介護の両立支援課題として,職場の環境整備,社会資源の充実,介護が始まる前からの対策等が挙げられる.今後の研究課題として,就労と介護の両立をポジティブなものとしても捉えること,就労と看護を両立している看護師の世界観の変容や個人の体験の複雑な文脈の分析であることが見出された.