著者
保坂 智 呉 美寧
出版者
北海商科大学学術研究会
雑誌
北海商科大学論集 (ISSN:2186330X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.15-38, 2021-02-20

本稿は、ソウル大学校中央図書館に所蔵されている『源氏物語』須磨巻後半部を翻刻し考察を加えたものである。前稿において須磨巻前半部を翻刻し本文の系統を明らかにしたが、本稿では引き続き須磨巻後半部の翻刻を行ない、本文校訂に関わる書き込みを中心に分析した。その結果、日本大学蔵本(三条西家証本)を書写した本文に補入や見せ消ちなど校訂が加えられて、肖柏本・横山本を取り込んだ本文へと変化したことが明らかになった。