著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.2, pp.115-208, 2016-03

『延暦儀式帳』は、伊勢の神宮における最重要且つ最古の古典で、『皇太神宮儀式帳』と『止由気宮儀式帳』の総称である。皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では、平成二十四年から新たな重要課題として、『延暦儀式帳』の研究を推進しており、これまでにも写本調査報告・関係文献研究目録(稿)・儀式帳所蔵機関目録(稿)などの研究成果を随時発表してきた。今後の研究は、『大神宮儀式解』以降の『延暦儀式帳』に関する研究史を吸収し、今日の学問水準に照応した注釈書の作成を推進することにある。その第一歩として、皇學館大学附属図書館所蔵『荒木田久老校合 内宮儀式帳』を底本に用い、静嘉堂文庫所蔵の谷川士清・士逸自筆書入本『内外太神宮儀式帳』を対校に使用し、さらに『群書類従』・『新校群書類従』・『神道大系』・『日本祭礼行事集成』などを用いて新たな校訂本を発表する。それは、これまでに蓄積された校訂の成果を整理統合するとともに、荒木田久老校合本、谷川士清・士逸自筆書入本を用いることによって、新たに近世以来の神宮祀官・研究者の成果をも吸収した現在の学術水準による緻密な校訂本を斯界に提供することになろう。
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.3, pp.177-241, 2017-03-01

『延暦儀式帳』は、伊勢の神宮における最重要且つ最古の古典で、『皇太神宮儀式帳』と『止由気宮儀式帳』の総称である。皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では、平成二十四年から新たな重要課題として、『延暦儀式帳』の研究を推進しており、これまでにも写本調査報告・関係文献研究目録(稿)・儀式帳所蔵機関目録(稿)・『皇太神宮儀式帳』校訂試案などの研究成果を随時発表してきた。今後の研究は、『大神宮儀式解』以降の『延暦儀式帳』に関する研究史を吸収し、今日の学問水準に照応した注釈書の作成を推進することにある。その第一歩として、皇學館大学附属図書館所蔵『外宮儀式帳』(黒瀬益弘)を底本に用い、静嘉堂文庫所蔵の谷川士清・士逸自筆書入本『内外太神宮儀式帳』を対校に使用し、さらに『群書類従』・『新校群書類従』・『神道大系』・『日本祭礼行事集成』などを用いて新たな校訂本を発表する。それは、これまでに蓄積された校訂の成果を整理統合するとともに、谷川士清・士逸自筆書入本を用いることによって、新たに近世以来の神宮祀官・研究者の成果をも吸収した現在の学術水準による緻密な校訂本を斯界に提供することになろう。The Procedures for ceremonies in the Enryaku Era is the most important and oldest classical text about Ise Jingu, and it is a generic term for the Records of the Ceremonies or the Inner Sanctuary of Ise Jingu and records of the Ceremonies at the Outer Sanctuary of Ise Jingu.At The Shinto Institute in Research and Development Center of Kogakkan University, as a new important project, we have been promoting the study of the Procedures for Ceremonies in the Enryaku Era. Up to this point, a report on the manuscripts, a related literary research catalog (draft), a library catalog (draft), and Tentative Plan for a Revision of the Records of the ceremonies of the Kotai Jingu of Ise have been published.Further research will be to synthesize the research work on the history of the Procedures for ceremonies in the Enryaku Era after the publication of the Daijingu gishikikai and to create a commentary that matches today’s academic level. As its first step, using Geku-gishikicho in the Kogakkan University Library as a source book and Naigedaijingu gishikicho as a counter source book, a new version of it will be published.In addition to consolidating the achievements of the recension work, that have been accumulated so far this would give the existing field a new and detailed recension at the current academic level, absorbing the research findings of Jingu priests and researches that have been done since the early modern period.
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.4, pp.165-190, 2018-03-01 (Released:2018-07-24)

皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では「皇室祭祀の研究」と「神宮祭祀の研究」とを総合研究に掲げ、創設された昭和四十八年(一九七三)以来の重要課題として、特に「大嘗祭の研究」を推進してきた。平成二十九年度の初めに、元文度の大嘗祭に関する史料であり、桜町天皇大嘗祭の調度品の略図と考えられる『元文聖代大嘗会拝見私記御調度品略図』を古書肆より購入し、神道研究所の所蔵とすることができた。本稿では、新収蔵資料である『元文聖代大嘗会拝見私記御調度品略図』について、その史料的価値を考えたい。At The Shinto Institute in Research and Development Center of Kogakkan University,advocated “a study of the religious service of the Imperial Family” and “a study of the religious service of Ise-jingu Grand Shrine” for a general study and, as an important issue since founded 1973, promoted “the study of the Harvest Festival after an Emperor’s enthronement” in particular.
著者
佐野 真人
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.1, pp.87-99, 2015-03

『延暦儀式帳』は、『皇太神宮儀式帳』と『止由気宮儀式帳』の総称で、伊勢の神宮における最古にして最重要の古典である。両儀式帳を合わせて約二七〇本に近い写本の存在が確認できる。しかしながら、延暦二十三年(八〇四)注進の原本は現存しない。写本のほとんどが近世以降に書写されたものである。皇學館大学研究開発推進センター神道研究所では、『延暦儀式帳』の内容を詳細に検証し、『延喜式』を始めとする古代の基本文献を利用して研究を進めている。これは今日行われている遷宮・神宮祭祀・行事を対象とした研究の進展に寄与することは言うまでもないが、その成果は広く我が国古代の神祇・法制・文化史等の研究に資することになろう。その基本作業として、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国文学研究資料館を中心とする様々なデータベース等を利用し、写本所蔵リストを作成した。本稿は、『皇太神宮儀式帳』と『止由気宮儀式帳』の写本を所蔵する機関の目録(稿)である。
著者
山田 孝雄
出版者
皇學館大学研究開発推進センター
雑誌
皇學館大学研究開発推進センター紀要 = Bulletin of the Research and Development Center of Kogakkan University (ISSN:21892091)
巻号頁・発行日
no.3, pp.119-150, 2017-03

本稿は、神宮皇學館大學学長山田孝雄が特別講義のために準備された自筆原稿(富山市立図書館山田孝雄文庫蔵)を翻刻したものである。昭和十八年十二月の学徒出陣において、神宮皇學館大學では十一月二十日に出陣学徒壮行式が催された。これに立つ同月十五日・十六日の両日、山田孝雄学長より出陣学徒に対して行われた特別講義が「令を講ずることの総説」である。この自筆原稿は、神宮皇學館大學史の一頁を飾る極めて貴重な資料であり、加えて、山田孝雄博士の律令学を考えるに際しても有用なものと思われる。This paper is a lecture manuscript of the Jingu-Kogakkan college president Yoshio Yamada.This lecture was made upon the departure of students for the war front in 1938. The content is an overview of the Ryo(Ordinance).