著者
Rutson-Griffiths Arthur
出版者
広島文教女子大学高等教育研究センター
雑誌
広島文教女子大学高等教育研究 = Hiroshima Bunkyo Women's University journal of higher education (ISSN:21892962)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.29-35, 2019-03

学期末の授業評価アンケートは,国内外の大学において教育の質向上のためのデータ収集方法として広く用いられている。広島文教女子大学の文教英語コミュニケーションセンターにおいてもFDシステムの一環としてアンケートが用いられているが,その有用性が分析されたことは今までない。アンケート内の教員評価に関する項目のデータとクラスごとのGPAの関連性を分析した結果,統計的に有意な正の相関が見つかった。これは,授業評価アンケートのデータが役に立つことを示唆するものである。しかしながら,使用にあたって注意しなければならない点もいくつか確認されたことから,教育効果を評価する際には複数の方法が必要であるということが言える。
著者
Rutson-Griffiths Arthur Rutson-Griffiths Yukari
出版者
広島文教女子大学高等教育研究センター
雑誌
広島文教女子大学高等教育研究 (ISSN:21892962)
巻号頁・発行日
no.4, pp.41-50, 2018-02-28

多読プログラムは多くの語学授業において用いられている。多読の効果はすでに実証されているが,日本で人気のあるTOEICのリーディングセクションのスコア増加との関連性についての研究では,様々な結果が報告されている。本研究では,学習者の学習状況が追跡できるウェブサイトとして広く利用されているMReaderのクイズデータを用い,読んだ本の単語総数,多読の頻度,内容理解という点から多読とTOEICの関連性について分析する。過去4年間でリーディングの授業を受けた総数105名の学生のMReaderデータを,多読プログラム開始10か月後のTOEICリーディングセクションのスコアと突き合わせた。わずかではあるが,単語数,クイズの平均点,TOEICのリーディングスコア増加の間に統計的に有意な関連性が確認できた。これらの結果は,多読がTOEICのリーディングスコア増加に繋がるという効果を裏付けるものではあるが,よりさらなる研究が必要である。