- 著者
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村田 晶子
- 出版者
- 法政大学
- 雑誌
- 多文化社会と言語教育 (ISSN:24362239)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, pp.14-29, 2021 (Released:2021-05-10)
新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020 年度の授業が対面からオンラインに移行し、人との接触機会が減少したことから、多くの学生が孤独やストレスを抱えた。とりわけ留学生の場合、日本でのネットワークが限られ、孤独や不安を感じていた人々が多く、人とつながり、日常の問題を相談できるようなサポートが必要とされた。
本稿で分析するコロナ禍で孤立する留学生たちの学習支援とオンラインサポートは、こうした状況を踏まえて始まったボランティア学生達の活動である。本稿ではコロナ禍におけるボランティア学生による留学生のソーシャルサポートを分析し、①やさしい日本語や英語を用いた来日の見守りと情報提供、②留学生の母語でのメンタルサポート、③留学生と日本社会とをつなぐ交流サポート、④進学サポート、⑤就活サポートなどの実態を明らかにし、また、支援活動を通じた参加者(ボランティア学生、留学生)の様々な学び合いを分析した。
最後に、こうしたボランティアのオンラインのソーシャルサポートの取り組みは、非常時のボランティア活動の新しい可能性を示すものであり、さらには、非常時のボランティアから、平時にも可能なソーシャルサポートにつながる可能性をもった取り組みであることを指摘し、ボランティア活動を深めるための教育プログラムとの連携の重要性についても指摘した。 本稿で分析するボランティア活動は、所属大学の 2020 年度の『自由を生き抜く実践知大賞』の大賞を受賞した、多文化教育科目の履修生たちの 1 年間の取り組みである。