著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.246-247, 2020 (Released:2020-03-01)

近江八幡の都市としての発展は,1585年に近江43万石の領主となった豊臣秀次が旧安土城下の施設や町民を移し,城下町を開いたことに始まるといわれる.楽市楽座や,城下の堀を琵琶湖とつないで商船を町の内部にまで寄港できる普請をはじめとする商業政策により,わずか5年の在任中に自由商業都市としての近江八幡の堅固な基盤を築いた.領主としての構想力や行政手腕は相当なものであったに違いない.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.456-457, 2015 (Released:2018-08-26)

東海道線小田原駅に降り立つと,駅舎に掲げられた大きな小田原提灯の出迎えを受けた.小田原は天下の巨城で名高いが,江戸時代,品川から数えて9番目の東海道の宿場町として栄えた土地でもある.目指す済生堂薬局は旧街道(現在の国道1号線)に面した中宿町にあり,当時は脇本陣や10軒を超える旅籠があったという.駅の喧騒を抜け,落ち着いた佇まいの堀端を春風にそよぐ柳を眺めながら歩き,20分ほどで目指す済生堂薬局に到着した.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1106-1107, 2017 (Released:2017-11-01)

戸越銀座を歩き、星薬科大学へと向かう。正門を入ってすぐ右手の建物の1階に資料館があった。本資料館には、創立者星一ゆかりの資料を中心に、本学にかかわる多様な歴史資料が展示されている。星薬科大学の歴史を辿ると、明治44(1911)年、星製薬株式会社が創立された際、社内に設置された教育部に遡る。会社創立と同時に教育部門を設けることは珍しいと思われるが、これは、建学の精神である「世界に奉仕する人材育成の揺籃である」に由来するのであろう。この根底には、座右の銘である「親切第一」 -「親切第一を主義として、自己に親切なれ、何人にも親切なれ、物品に親切なれ、時間に親切なれ、学問に親切なれ、金銭に親切なれ、親切は平和なり、繁栄なり、向上なり、親切の前には敵なし、親切は世界を征服す」の信念が礎となっている。ちなみに、星薬科大学と聞くと、つい創立者の長男である作家星新一を頭に浮かべてしまうが、本名は親一で、この言葉から名づけられたという。さらに余談を述べると、次男は協力第一の銘から、協一と名づけられたらしい。
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1106-1107, 2017

戸越銀座を歩き、星薬科大学へと向かう。正門を入ってすぐ右手の建物の1階に資料館があった。本資料館には、創立者星一ゆかりの資料を中心に、本学にかかわる多様な歴史資料が展示されている。星薬科大学の歴史を辿ると、明治44(1911)年、星製薬株式会社が創立された際、社内に設置された教育部に遡る。会社創立と同時に教育部門を設けることは珍しいと思われるが、これは、建学の精神である「世界に奉仕する人材育成の揺籃である」に由来するのであろう。この根底には、座右の銘である「親切第一」 -「親切第一を主義として、自己に親切なれ、何人にも親切なれ、物品に親切なれ、時間に親切なれ、学問に親切なれ、金銭に親切なれ、親切は平和なり、繁栄なり、向上なり、親切の前には敵なし、親切は世界を征服す」の信念が礎となっている。ちなみに、星薬科大学と聞くと、つい創立者の長男である作家星新一を頭に浮かべてしまうが、本名は親一で、この言葉から名づけられたという。さらに余談を述べると、次男は協力第一の銘から、協一と名づけられたらしい。
著者
河内 彩香 村田 晶子 長谷川 由香 竹山 直子 池田 幸弘
出版者
法政大学
雑誌
多文化社会と言語教育 (ISSN:24362239)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.30-45, 2021 (Released:2021-05-10)

2020 年度、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で多くの大学がオンライン授業に移行し、所属大学の日本語教育プログラムにおいても春学期と秋学期の授業が全面的にオンラインで行われ、LMS(Learning Management System)とオンライン会議システム(Zoom)による双方向授業を組み合わせて教育活動を行った。これまで、日本語教育におけるこれら二つを組み合わせた授業の詳細の分析はまだ十分にはなされていない。地理的な境界線を越えて実施することができるオンライン教育はコロナ収束後も発展していくことが予想されており、この実践を一過性のものとしてとらえるのではなく、実践を記録し、その効果や問題点を発信していくことが今後の言語教育の発展のために重要である。こうした点を踏まえて、本稿では、日本語教育プログラムにおいて実施した Zoom による双方向授業と LMS(Google Classroom)を組み合わせたオンライン教育の実施状況を記述し、レベル別、技能別の教育におけるオンライン教育のメリットと課題を分析した。
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1070-1071, 2016 (Released:2016-11-01)

田辺三菱製薬のルーツをたどると,1678年(延宝6年)初代田辺屋五兵衛が,大坂土佐堀で独立開業し,「田辺屋振出薬」を製造販売したことから始まる.300年をゆうに超える,日本はおろか世界でも屈指の老舗製薬企業である.しかし,さらに遡ると,その祖父・田辺屋又左衛門は,1604年に朱印船でルソンや東南アジア諸国と交易して様々な薬種を輸入していたというから,薬にかかわる実に長い歴史を有している.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.256-257, 2017 (Released:2017-03-01)

名鉄名古屋駅から犬山線,犬山駅からは広見線に乗り継いで新可児まで行き,そこからさらに御嵩行ワンマン列車に乗り込み,のどかな田園風景に見とれていると間もなく明智駅に到着した.無人駅のため運転手さんに切符を手渡して下車し,ちょうど駅前に停車しているバスに乗り込んだ.バスはこの先の名鉄八百津線が2001年に廃線となったため,代替として運行されている.ここまで来るとすっかり小旅行の気分になってしまっているが,弾む気持ちをおさえながら元役場前にて下車した.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.464-465, 2017 (Released:2017-05-01)

秋田県横手市の増田町に,中七日町通りという商店街がある.成瀬川と皆瀬川が合流するところに位置し,江戸期以前から商業地として栄えた.東北経済の中心地といってもいいほどの賑わいを見せた頃もあったようであるが,いまでは落ち着いた町並みである.昔の面影を残す多数の商家が,往時の繁栄を静かに物語っている.
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.56-57, 2016

道修町,難読地名である.不勉強な筆者は薬に関わる仕事に就いてからこの町を「どしょうまち」と呼ぶことを知った.調べてみると,昔は「どうしゅまち」と呼ばれていたのが,訛って「どしょうまち」になったようである.その源は,古くはこのあたりは道修谷と呼ばれていた,北山道修という医師が居て門前に薬屋が集まってきたなど諸説ある.
著者
池田 幸弘
出版者
JSL漢字学習研究会
雑誌
JSL漢字学習研究会誌 (ISSN:18837964)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.82-86, 2017 (Released:2020-02-22)
参考文献数
11

本研究では, 500字所収の複数(4種類)の漢字教材を比較した場合,500字のうち,何字ぐらいの漢字が共通して取り上げられているか調査を行った。その結果,355の漢字が4種の教材で共通して取り上げられていること,102の漢字が4種の教材のうち3種で共通して取り上げられていること,73の漢字が4種の教材のうち2種で共通して取り上げられていること,1種の教材のみで取り上げられている漢字が128あることがわかった。また、4種の教材で658の異なる漢字が取り上げられていた。この結果から,658の異なる漢字数における複数の教材で共通して取り上げられている漢字数という割合から見ると,その割合はそれほど高くないが,各教材の500字における他の教材と共通する漢字の数の割合という点から見ると,ある程度の共通性はあるのではないかということが示唆された。
著者
池田 幸弘
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.892-893, 2018

いつの頃からか,青梅は昭和の町,レトロの町と呼ばれるようになった.昭和生まれの筆者としては,昭和という時代がもはや遠い昔になってしまったのかと寂しい思いも抱いてしまうが,平成も30年を数え,次の元号の議論が起こりつつあることを鑑みると,やむを得ないことなのかもしれない.
著者
河内 彩香 村田 晶子 長谷川 由香 竹山 直子 池田 幸弘
出版者
法政大学
雑誌
多文化社会と言語教育 (ISSN:24362239)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.30-45, 2021

2020 年度、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で多くの大学がオンライン授業に移行し、所属大学の日本語教育プログラムにおいても春学期と秋学期の授業が全面的にオンラインで行われ、LMS(Learning Management System)とオンライン会議システム(Zoom)による双方向授業を組み合わせて教育活動を行った。これまで、日本語教育におけるこれら二つを組み合わせた授業の詳細の分析はまだ十分にはなされていない。地理的な境界線を越えて実施することができるオンライン教育はコロナ収束後も発展していくことが予想されており、この実践を一過性のものとしてとらえるのではなく、実践を記録し、その効果や問題点を発信していくことが今後の言語教育の発展のために重要である。こうした点を踏まえて、本稿では、日本語教育プログラムにおいて実施した Zoom による双方向授業と LMS(Google Classroom)を組み合わせたオンライン教育の実施状況を記述し、レベル別、技能別の教育におけるオンライン教育のメリットと課題を分析した。
著者
村田 晶子 池田 幸弘 長谷川 由香
出版者
法政大学
雑誌
多文化社会と言語教育 (ISSN:24362239)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-13, 2021 (Released:2021-05-10)

日本語を学ぶ人々のライフストーリーの調査をすることは、彼らの生き方、日本語を学ぶ動機、そして、日本語を用いてどのように社会と関わっているのかを理解する上で役立つ。本稿では母国で社会経験を積んでから来日し、日本語を学んだ人々にライフストーリーインタビューを行い、日本留学が彼らの人生にとってどのような意味があったのかを明らかにした。分析では、Knowles の成人学習像、Mezirow の変容的学習論を援用し、社会経験のある人々が職業経験を踏まえた自律的な学習の方向付けを行っていく過程を明らかにするとともに、留学における葛藤や悩み、留学を通じた変容を明らかにし、それぞれが相互作用していることを分析した。加えて、本稿の最後にインタビュー協力者のライフストーリーに対する感想、そして、調査者らによるライフストーリーインタビューの実施及びライフストーリー作成に対する省察を示し、ライフストーリーが教員とプログラム修了者の双方にとって継続的な対話の機会になり、教育の改善につながりうるものであることを示した。
著者
長谷川 由香 村田 晶子 池田 幸弘 竹山 直子
出版者
法政大学
雑誌
多文化社会と言語教育 (ISSN:24362239)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.46-58, 2021 (Released:2021-05-10)

高等教育のグローバル化が進み、留学の形も多様化する中で、近年注目されているのが、1か月未満の短期留学プログラムである。短期の留学プログラムは経済的、時間的な負担が少ないために参加しやすく、その重要性は増している。短期プログラムは、学生の休みの期間に実施されることが多く、教室での勉強だけでなく、体験学習を組み込んだプログラムが実施されており、これまでプログラムレベルでの実践報告を通じて、具体的な実施例、効果や課題が明らかにされているが、その一方で文化体験の「テキスト」の開発に焦点を当てた報告は非常に少ない。そこで本稿では、こうした文化体験プログラムのテキスト開発について分析し、大学の短期プログラムを想定したテキスト開発がどのように変容していったのかを検討し、今後に向けたオンラインでの文化体験のアレンジ例の提案も行った。