著者
岡野 仁庸 古本 政博 大島 草太 竹中 秀樹 佐原 宏典
出版者
特定非営利活動法人 学習分析学会
雑誌
学習分析学 (ISSN:24366862)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-12, 2022-04-07 (Released:2022-11-09)

PBL型授業はチーム教育の手法として広く導入されているが、チームの迷走によって実施側も参加者も今ひとつPBLの効果を感じられないもので終わることがある。本学が提供する「研究プロジェクト演習(4)」の2年度間について、チームによるプロジェクト活動の活性化と評価を作業時間とその一定進捗からの乖離、及びチーム余裕の指標を以って分析した。その結果、前年度の最終報告書のレビューを行うことを導入することと報告会を複数回実施することによって、スムースなプロジェクト開始と作業時間の増加が見られた。また、チームの活性化を評価する指標としてジニ係数を導入し、初年度と第2年度のチームとチーム内メンバーの作業時間に適用した結果、いずれも初年度に比べて第2年度は一定進捗に近付き、チーム作業時間及びメンバー作業時間のばらつきが有意に縮小していることが分かった。本論文の手法によってチーム及びチーム内メンバーの活性化を評価することができ、顕著な活性化が見られないチームやチームメンバーを定量的に顕在化させ、テコ入れの必要性を判断することができる。