- 著者
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柴田 昌樹
- 巻号頁・発行日
- 2009-01-29
国立国会図書館デジタルアーカイブポータル(PORTA)は、他機関との連携・協力による「国のデジタルアーカイブ」の構築を視座に置き、当館のみならず他機関所蔵コンテンツを含むわが国全体のデジタルアーカイブを一元的・統合的に検索・利用できるサービスの構築を目指している。本講演では、平成19年10月の公開以来、これまでにPORTAが進めてきた連携・協力について、データ提供機関(データプロバイダ)の拡充及び外部提供インターフェース(API)の公開・提供の現状と、目指す将来像を紹介する。1.PORTAの位置づけ 2004年2月に、当館は「国立国会図書館 電子図書館中期計画2004」として、5年程度を目途として達成すべき電子図書館サービスの具体的方向とその実現の枠組みを示した。その柱の一つとして、国の各機関と協力し、デジタルアーカイブへの総合的なポータルサイト(入り口)を構築することとした。このポータルサイトの具体的な形として、2004年秋からのプロトタイプシステムを経て、2007年10月15日にPORTAを一般公開した。2.PORTAの現状 一般公開当初20のデータプロバイダ(そのうち他機関のものは7。大学関係機関はなし)のデジタルアーカイブ等の提供でサービスを開始したが、平成21年1月現在で31(他機関のものは18。そのうち大学関係機関は5)が提供できるようになっている。現在も大学関係機関を含む各種機関とPORTAとの連携のための協議を継続し、提供できるコンテンツの更なる拡充を図っている。また外部提供インターフェース(API)についても、平成20年3月末から検索用APIを、平成20年12月にはハーベスト用APIを公開した。「想-IMAGINE Book Search」(NPO法人連想出版)等PORTAのAPIを活用したサービスがインターネット上で出現してきている。3.PORTAの今後 デジタルアーカイブを提供する図書館、公文書館、博物館、美術館、大学、政府機関、民間等に働きかけ、PORTAと連携するデータプロバイダの増加につとめるともに、これら機関等と協力して各機関に分散されたデジタルアーカイブの統合利用環境のさらなる高度化を目指していきたいと考えている。
平成20年度国立大学図書館協会地区協会助成事業ワークショップ「大学における研究・教育活動と電子リソース利用の現在」発表資料 平成21年1月29日 広島大学中央図書館ライブラリーホール