著者
佐伯 文昭
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.85-92, 2013-03 (Released:2013-07-02)

現在,多くの保育所・幼稚園において,障害児保育が行われている.障害児保育に携わる保育者の支援の一つとして,巡回相談がある.本稿では障害児保育の歴史を顧みた後,巡回相談の定義,実施概要,コンサルテーションとしての機能,支援モデル(支援の視座)について概観した.特にICF の視座は,子どもの個人的特徴のみならず,環境因子(自然環境,社会環境,物理的環境,人的環境)を視野に入れ,アセスメントや支援を展開していくことを重要視するものであり,医療分野だけではなく,保育や幼児教育の現場においても有効と思われる.ICF は「生物・心理・社会的」アプローチであり,子ども自身やその家族,社会をより広い視野で把握することのできる有効な概念である.今後,保育所・幼稚園における巡回相談の支援モデルのさらなる探究,ICF の視座に基づく保育支援の実践が強く求められる.

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