著者
佐古井 智紀 細谷 聡 藏澄 美仁 田北 浩之 戸上 健
出版者
人間-生活環境系シンポジウム実行委員会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集 = Proceedings of Symposium on Human-Environment System
巻号頁・発行日
vol.39, pp.187-190, 2015-11-20

衣服による面積増加を考慮して皮膚と着衣間の多重放射を考慮した伝熱モデル式を提案した.このモデル式から,着衣が吸収する日射より生地を透過後に皮膚が吸収する日射の方が,日射吸収量が同一ならば人体の熱収支に大きく影響を及ぼすことを確認した.一重の衣服が部分的に身体を覆う場合に限るが,熱収支に基づき全身の着衣の日射吸収率,皮膚の日射吸収率を得る部位の重み係数を導いた.提案した解析モデルに基づき,色のみの異なる同一の生地で縫製された夏季の体操服を着用した場合の日射の影響を含む作用温度を計算した.淡色の体操服着用時には濃色の体操服着用時と比べて反射日射が大きくなるものの皮膚で吸収する日射も大きい.結果として,夏季の体操服の生地の色は作用温度にほとんど影響しないことが確認された.