著者
喜多 一馬 池田 耕二
出版者
日本医療福祉情報行動科学会
雑誌
医療福祉情報行動科学研究 (ISSN:21851999)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.55-66, 2021-03-26

【目的】日帰り温泉旅行に参加した個々の要介護高齢者自身の生活機能に対する認識の変化を明らかにすること。【方法】日帰り温泉旅行に参加した要介護高齢者9名に対して,温泉旅行の過程やその前後で生じた自身の生活機能の変化についてインタビュー調査した。インタビュー結果を,解釈学的現象学的分析を用いて分析した。【結果】分析の結果,13サブテーマと【楽しさに繋がる行動を促進する】,【喪失されていた思いの再獲得】,【豊かな感情を喚起する環境に対する認識】,【スタッフの関り方や置かれた立場によって生じる感情】,【自身の在り方に対する認識の変化】という5テーマが抽出できた。【結論】要介護高齢者は温泉旅行を経験したことにより,多様な生活機能に対する認識の変化を生じていた。