著者
片山 伸子 小川 徳子
出版者
名古屋柳城女子大学
雑誌
名古屋柳城女子大学研究紀要 (ISSN:24362042)
巻号頁・発行日
no.1, pp.159-168, 2021-02-20

本研究の目的は、動物に似せた新奇刺激を作成して使用し、概念やカテゴリ化、ネーミングの検討を行うにあたり、既存の動物を人間が判断する際の属性の特徴を検討することであった。一般向きの図鑑3 冊から親近性が高い動物35 種類を選定し、図鑑に記載されている属性を分析した。 結果として2 つのことが示された。第一に親近性が高い動物でも、家畜・ペットといった人間が作り出した動物と野生動物では取り上げられる属性が大きく異なっていた。野生動物では特徴的な身体部位とそれに伴う機能、行動形態といった属性の記述が出現する割合が高く、食性などは低い一方で、ペット・家畜では人間との関係を示す属性が多く出現していた。第二に図鑑による違いも存在しており、動物学の分類に依拠したものもあれば、生息地別で示しているものもあり、取り上げられている属性にも違いがみられた。結果から、今後、新奇刺激を作成する際の留意点が論じられた。