著者
片山 伸子 小川 徳子
出版者
名古屋柳城女子大学
雑誌
名古屋柳城女子大学研究紀要 (ISSN:24362042)
巻号頁・発行日
no.1, pp.159-168, 2021-02-20

本研究の目的は、動物に似せた新奇刺激を作成して使用し、概念やカテゴリ化、ネーミングの検討を行うにあたり、既存の動物を人間が判断する際の属性の特徴を検討することであった。一般向きの図鑑3 冊から親近性が高い動物35 種類を選定し、図鑑に記載されている属性を分析した。 結果として2 つのことが示された。第一に親近性が高い動物でも、家畜・ペットといった人間が作り出した動物と野生動物では取り上げられる属性が大きく異なっていた。野生動物では特徴的な身体部位とそれに伴う機能、行動形態といった属性の記述が出現する割合が高く、食性などは低い一方で、ペット・家畜では人間との関係を示す属性が多く出現していた。第二に図鑑による違いも存在しており、動物学の分類に依拠したものもあれば、生息地別で示しているものもあり、取り上げられている属性にも違いがみられた。結果から、今後、新奇刺激を作成する際の留意点が論じられた。
著者
木浪 冨美子 小川 徳子
出版者
関西福祉大学社会福祉学部研究会
雑誌
関西福祉大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:1883566X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.65-70, 2012-03

近年,精神保健福祉士が果たすべき役割の中でも,地域生活の維持・継続,生活の質を高めることに,重点が置かれるようになってきている.精神保健福祉士を養成するカリキュラムにも,それが反映されなければならないだろう.本研究は,それを満たすカリキュラム構築に向けた,1つの試みである.木浪・小川(2009,2011)によって報告された参加型学習実践の効果を踏まえ,今回は,ボランティアスタッフとしての活動経験の効果を検討した.その結果,「精神障害者との社会的・心理的距離」の感じ方にも,「精神疾患・精神障害者へのイメージ」にも,精神障害者が抱える「生活のしづらさ」への理解にも,参加型学習実践ほどの変化は認められなかった.その理由として,活動を導入するタイミングの問題と,活動に参加する時の学生の意識の問題が考えられる.
著者
小川 徳子
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
心理學研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.319-326, 1995

This sudy examined how categorization varies with relevant knowledge. Subjects were undergraduates, and they were asked to sort a set of pictures or photographs based on whatever features they liked. In Experiment 1, three groups of subjects (15 each) sorting 31 cards portraying fictitious animals were explained about each card nothing (Group 1), apparent physical features of each animal (Group 2), or physical as well as ecological features (Group 3). Results showed that: (1) in Groups 1 and 2 most frequently used features were physical features, while in Group 3 they were ecological features; (2) the structure of category system were either predominantly single-criterion type or multiple-criteria type, and the distribution of types differed among groups. In Experiment 2, three groups of subjects (14 each) sorting 36 photographs of leaves were explained in advance nothing (Group 1), a botanical principle of classification (Group 2), or its evolutionary basis (Group 3). Results revealed that relevant features and category structures differed among groups. These findings suggest that categorization behavior varies with the qualitative and/or quantitative nature of relevant knowledge.