著者
下井 俊典
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Introduction of concept and background theory, and trial of reclassification about scaffolding (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.50-60, 2019-08-20

専門職養成課程においては,教員のみならず臨床実習の指導者にとっても,学生にどう学ばせるか,学びをどう支援するかを考える上で,scaffolding は重要な学習支援方略の1 つである.しかし,特に国内のscaffolding に関する報告は言語教育領域が中心で,scaffolding の具体的実践はもとより概念も広く一般化されているとは言い難い.本稿では,scaffolding の概念とヴィゴツキーの「発達の最近接領域」を中心とした社会的構成主義を背景理論として概説するとともに,その再分類を試みた.再分類の結果として,scaffolding は目的別に①学習に向けた準備態勢を整備・調整するもの,②理解・思考・発想を支援・促進するもの,③リフレクションを促すものの3 つの大項目,および下位項目として11 の具体的実践に細分類することができた.