- 著者
-
加藤 哲夫
- 出版者
- 一般社団法人 国際P2M学会
- 雑誌
- 国際P2M学会研究発表大会予稿集 2017 秋季 (ISSN:24320382)
- 巻号頁・発行日
- pp.162-173, 2017 (Released:2017-10-12)
- 参考文献数
- 21
2000年頃まで先進国では、「基本技術開発→応用開発→製品化のシーケンシャルな開発スタイル」をとってきた。しかし、多くのモノ造り技術が海外に行き渡り、「水平分散型」を推進する新興国と比べ先進国の価格競争力は弱くなった。これにより、先進国のモノ造りは利用シーンを想定して本来の機能と使いやすさを追求し、これを具現化するデザイン・設計した上で、商品、サービスを実現するに必要な技術やデバイスを集約する開発スタイルに変化した。「ありたい姿の想定→具体的商品の機能デザイン定義→実現に必要な技術集約統合というスタイル」が2010年以降、徐々に広まってきた。
本論文では、第4次産業革命の波に乗って、どのようなイノベーションが起こるのか想起することにより、3つのイノベーション・レイヤーとして①Process Innovation、②Product Innovation、③Social Innovation という分類を新たに提案し、いくつかの事例で示した。提案した3つのイノベーションを推進・実現化するためには、P2M理論が重要な役割を果たすとことと確信する。