- 著者
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中野 正昭
- 出版者
- 大正演劇研究会
- 雑誌
- 大正演劇研究
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.59-60, 1997-03-26
自慢じゃないが私は、学部生のころはほとんど大学に寄りつかなかった。学校をサボるのは、何も大学生になって始まったことではないので、別に珍しいことでもない。毎日学校に通うようなヤツは、きっと頭がおかしいんだと思っていたし、今もそう思っている。、だから、菅井先生の授業も他の先生同様きちんとサボらせてもらった。ノートの大半がコピーというありさまだったので、学部時代は先生のことはよく知らなかった。演技論の授業はディドロの「俳優論」だったが、"ディドロ=百科全書派、以上"程度の知識しかなかった私にはその意図がよく分からなかった。というわけで私の四年間は年中無休の自主休講状態だった。そのうち、菅井先生が理系出身だということを耳にして、「これはもう全く分からないタイプの人だなぁ」と理系に偏見を持つ私は勝手に決めてしまった。