著者
中野 正昭
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.83-96, 2003-12-15 (Released:2018-12-14)

AMEYA Norimizu is a changing artist. In the 1980s, he was a man of the theater: a dramatist, a director, a stage and sound designer, and an actor. In the 90s, he was an artist of the postmodern art. Since 1999, he has been an owner of a shop of rare animals. Ameya says that those activities he has been doing, including dealing with rare animals, are all for what he thinks is theatre.He wants to show the reality of a living body by means of theatre and technology. For example, in Skin#2 Buffalo Mix (1989), Ameya and his theatre group “M.M.M” made an exciting collaboration of living actors with a machine, which was like the “machine” of SRL of Mark Pauline. It was, in a sense, a theatre performance of Japanese cyber-punk. He was interested in the contemporary noise music and liked to use it in his theatre performances.But Ameya's activities are not completely different from Japanese theatre before him. He took some suggestions for his sound effect from KARA Jyuro's Jyokyo Gekijo. In Ameya's theatre Kara's sound effect was mixed with noise music, and it produced a unique effect of Ameya's own.
著者
中野 正昭
出版者
大正演劇研究会
雑誌
大正演劇研究
巻号頁・発行日
vol.6, pp.59-60, 1997-03-26

自慢じゃないが私は、学部生のころはほとんど大学に寄りつかなかった。学校をサボるのは、何も大学生になって始まったことではないので、別に珍しいことでもない。毎日学校に通うようなヤツは、きっと頭がおかしいんだと思っていたし、今もそう思っている。、だから、菅井先生の授業も他の先生同様きちんとサボらせてもらった。ノートの大半がコピーというありさまだったので、学部時代は先生のことはよく知らなかった。演技論の授業はディドロの「俳優論」だったが、"ディドロ=百科全書派、以上"程度の知識しかなかった私にはその意図がよく分からなかった。というわけで私の四年間は年中無休の自主休講状態だった。そのうち、菅井先生が理系出身だということを耳にして、「これはもう全く分からないタイプの人だなぁ」と理系に偏見を持つ私は勝手に決めてしまった。
著者
日比野 啓 神山 彰 井上 優 中野 正昭 大原 薫 川添 史子 鈴木 理映子 舘野 太朗 袴田 京二 和田 尚久
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

主として商業演劇に携わった三十五人の演劇人・評論家・研究者に聞き書きを行った。一回の聞き書きに費やした時間は二時間から四時間で、聞き書きとして記録に残された文字数はそれぞれ二万字から五万字にのぼる。その後、研究協力者による編集・再構成を経て、研究代表者・研究分担者による歴史史料との付き合わせとイントロダクション執筆、最後に当事者チェックをしていただき、その一部はウェブサイト・日本近代演劇デジタル・オーラル・ヒストリー・アーカイブに公開された。こうした聞き書きを積み重ねてきた結果、商業演劇を中心に人間関係のネットワークが築かれていき、日本近代演劇全体に通底する美学が構築されたことを明らかにした。
著者
中野 正昭
出版者
明治大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、大正期に流行した浅草オペラがどのような舞台だったかを、オペラ座の検閲台本を基に考証した。従来、浅草オペラは西欧オペラを<簡略化>したものに過ぎないと考えられてきた。しかし、上演台本を調査・分析した結果、実際には、台詞や場面を新たに書き加えたり、興行法に従うために一つのグランドオペラ作品を複数回に分けて上演するなど、当時の日本の観客が既知の演劇文化の文脈の中で享受できるように工夫を凝らした、日本独自の演劇として<再構成>されたものであることを、具体的な作品の上から明かにした。
著者
中野 正昭
出版者
日本演劇学会
雑誌
演劇学論集 日本演劇学会紀要 (ISSN:13482815)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.75-98, 2009 (Released:2018-01-12)

Kokumin Engeki which means the National Theater was a popular concept with journalism, the academy, and the goverment, in Japan under WWII. We associate Kokumin Engeki with Japanese wartime nationalism and fascism. The government promoted the Kokumin Engeki contest from 1941 to 1944, but it is the strangest thing that the some plays of national policy were rejected or defeated. As a matter of fact, the state powers and academic authorities didn't have the distinct concept of Kokumin Engeki. This thesis is about the confusion of the Kokumin Engeki contest as seen in the participating plays of FURUKAWA ROPPA's company and his diary.
著者
中野 正昭
出版者
大正演劇研究会
雑誌
大正演劇研究
巻号頁・発行日
no.7, pp.20-44, 1998-12-15
著者
中野 正昭
出版者
大正演劇研究会
雑誌
大正演劇研究
巻号頁・発行日
vol.9, pp.122-123, 2005-05-31

先日、書店でエリザベス・キューブラー・ロス著『j人生は廻る輪のように』の文庫版を購入した。病床にあった曽田先生が愛読していた本の一つだ。私自身は、「いずれは読むだろうが、それはまだ先のこと」と漠然と思っていた。が、角川文庫から出されている本が、何故か平積みされた講談社文庫の上に一冊だけ置いてあったのも何かの縁だろう、そう思い、予定外だが購入した。--良い研究社は読書家でなくてはならない。しかし、良い読書家や愛読書が、良い研究者とは限らない。そんなアフォリズムを、先生は大学院の授業で口にしたことがあった。殊更優れたアフォリズムだとは思わなかったが、最期までそれを体現した師の姿は、喧嘩しては「本当に生意気なヤツだなぁ」と言われ続けた弟子にとって最高の教えだった。