著者
大森 康貴
雑誌
奈良教育大学教職大学院研究紀要「学校教育実践研究」 = Bulletin of School of Professional Development in Education (SPDE), Nara University of Education (ISSN:18836585)
巻号頁・発行日
no.13, pp.19-28, 2021-03-31

国語科教育研究では、自立した読み手の育成のために読解方略の概念が導入されてきた。しかし小学校段階での読解方略指導の実践研究はまだ少なく、単元全体を読解方略指導として構想した実践の有効性の検証が十分なされているとはいえない。また、読解方略の学習段階に応じた指導方法の検討についても課題が残る。そこで本研究では小学校第6学年を対象に、単元全体を読解方略指導として構想した実践を行い、その有効性の検証及び子どもの読解方略の学習を促進する指導について考察した。実践の結果、小学校第6学年において、読解方略を意識できる段階(意識性)に90%程度、読解方略を適切に選択できる段階(選択性)に70%程度の子どもが到達する等、一定の成果が見られた。また、選択性に向けた読解方略指導においては、読みの困難を明確に意識させる、子ども自身に読解方略を使わせる、考えの共有を通して読解方略の有効性を認識させる、ための指導の工夫が特に重要であることが示唆された。