- 著者
-
平田 達哉
- 出版者
- 山口県農林総合技術センター
- 雑誌
- 山口県農林総合技術センター研究報告 = Bulletin of the Yamaguchi Prefectural Technology Center for Agricultural and Forestry (ISSN:21850437)
- 巻号頁・発行日
- no.5, pp.30-37, 2014-03
機能性が高いと認められた山口県産農産物6品目を用いて、調理加工時における機能性成分の変動要因を調査し、以下の結果を得た。1 田屋なすの活性酸素消去能は、加熱方法と加熱温度が消長の要因であり、炒めるより茹でる方法で、また温度が70℃以上で機能性は低下しやすい。DPPHラジカル消去能は、加熱方法と酸度が消長の要因であり、炒めるより茹でる処理が機能性の維持に優れ、また酸の添加で機能性は維持される。2 白オクラのDPPHラジカル消去能は、炒めるより茹でる処理が機能性の維持に優れる。粘性は、酸が要因であり、酸の添加で粘性は維持される。3 ヤマノイモのヒアルロニダーゼ阻害活性は、加熱温度が消長の要因であり、温度が高いほど機能性は消失し、70℃が機能性の維持に優れる。炒めるより茹でる処理が機能性維持に優れるが、茹でる時間が長いほど、機能性は消失しやすい。4 アザミナのリパーゼ阻害活性は、加熱温度が消長の要因であり、80℃を超えると機能性は消失しやすい。辛味成分は、60℃、30秒の処理または70℃、90秒の処理が機能性の維持に優れる。また、摩砕よりカット処理が機能性の維持に優れる。5 はなっこりーのリパーゼ阻害活性は、温度が消長の要因であり、温度が高いほど、特に80℃以上で機能性は消失しやすい。6 タマネギの活性酸素消去能は、加熱温度が消長の要因であり、温度が高いほど機能性は減少する。また、ヒアルロニダーゼ阻害活性は、加熱方法が消長の要因であり、茹でるより炒める処理が活性の維持に優れる。