著者
福光 優子 尾関 仁志 住居 丈嗣 石光 照彦
出版者
山口県農林総合技術センター
雑誌
山口県農林総合技術センター研究報告 = Bulletin of the Yamaguchi Prefectural Technology Center for Agricultural and Forestry (ISSN:21850437)
巻号頁・発行日
no.9, pp.88-95, 2018-03

山口県が育成した小輸系ユリ'プチシリーズ'をコンテナで栽培する場合、1コンテナに配合土を20L投入し、「プチソレイユ」、「プチロゼ」および「プチブラン」の冷凍球根(球周8~10cm)を適切に解凍した後、28~36球/コンテナ定植すると、周年を通じて切り花長60cm以上、花蕾数3輪以上の品質の良い切り花が得られる。「プチソレイユ」においては、冷蔵および冷凍処理球根を組み合わせて栽培することで、同一施設内で年4作体系が可能である。球根増殖においては、りん片では、23℃8週間で子球形成後、自然低温もしくは17℃4週間処理した後、5℃6週間処理を行うことで、発芽が促される。小球根も同様で自然低温もしくは、5℃6週間処理で休眠打破し、発芽する。コンテナ栽培において、8cm以上の球根を得るために適した栽植密度は、りん片では90g/コンテナ、4~6gの小球根では50球/コンテナである。
著者
平田 達哉
出版者
山口県農林総合技術センター
雑誌
山口県農林総合技術センター研究報告 = Bulletin of the Yamaguchi Prefectural Technology Center for Agricultural and Forestry (ISSN:21850437)
巻号頁・発行日
no.5, pp.30-37, 2014-03

機能性が高いと認められた山口県産農産物6品目を用いて、調理加工時における機能性成分の変動要因を調査し、以下の結果を得た。1 田屋なすの活性酸素消去能は、加熱方法と加熱温度が消長の要因であり、炒めるより茹でる方法で、また温度が70℃以上で機能性は低下しやすい。DPPHラジカル消去能は、加熱方法と酸度が消長の要因であり、炒めるより茹でる処理が機能性の維持に優れ、また酸の添加で機能性は維持される。2 白オクラのDPPHラジカル消去能は、炒めるより茹でる処理が機能性の維持に優れる。粘性は、酸が要因であり、酸の添加で粘性は維持される。3 ヤマノイモのヒアルロニダーゼ阻害活性は、加熱温度が消長の要因であり、温度が高いほど機能性は消失し、70℃が機能性の維持に優れる。炒めるより茹でる処理が機能性維持に優れるが、茹でる時間が長いほど、機能性は消失しやすい。4 アザミナのリパーゼ阻害活性は、加熱温度が消長の要因であり、80℃を超えると機能性は消失しやすい。辛味成分は、60℃、30秒の処理または70℃、90秒の処理が機能性の維持に優れる。また、摩砕よりカット処理が機能性の維持に優れる。5 はなっこりーのリパーゼ阻害活性は、温度が消長の要因であり、温度が高いほど、特に80℃以上で機能性は消失しやすい。6 タマネギの活性酸素消去能は、加熱温度が消長の要因であり、温度が高いほど機能性は減少する。また、ヒアルロニダーゼ阻害活性は、加熱方法が消長の要因であり、茹でるより炒める処理が活性の維持に優れる。