著者
杉本 健治 村上 哲一
出版者
山口県農業試験場
雑誌
山口県農業試験場研究報告 (ISSN:03889327)
巻号頁・発行日
no.52, pp.68-80, 2001-03

コンテナ単位の貯蔵に適する被覆資材と貯蔵方法を検討した。資材(1.5m平方)はコンテナの内側に敷き、果実を一杯になるまで入れて包み込んだ。なお、3月上旬までは常温貯蔵庫(温度は5~15℃、湿度は70%)で、3月中旬以降は低温貯蔵庫(温度は7℃、湿度は70~90%)において貯蔵した。 1試験した7資材のうち有孔ポリ(約2.0x1.5cm間隔に直径1.8mmの孔)が、ポリ個装に比べて減量歩合が高いものの、5月中旬までポリ個装に近い貯蔵ができた。 2アマナツでは、果実の予措を3~4%程度行い、孔数を既製有孔ポリの1/2に減少した改良有孔ポリ(厚さ0.05mm)を使用することで、産地の最終出荷時期の6月10日まで、長期間にわたりポリ個装に非常に近い状態で貯蔵できると考えられた。 3イヨカンでは、果実の予措を4~5%行い、既製有孔ポリ(厚さは0.05mm)を使用することで、産地の最終出荷時期の4月10日まで、ポリ個装に近い貯蔵が可能であると考えられた。 4ハッサクでは、無予措の果実を、孔数を既製有孔ポリの1/3に減少した改良有孔ポリ(厚さ0.05mm)を使用することで、産地での最終出荷時期の4月10日まで貯蔵が可能であると考えられた。ただし、ポリ個装に比べてへた落ち果及びへた枯果が顕著に増加した。 5有孔ポリによるコンテナ当たりの被覆時間は、ポリ個装の約1/3に短縮できた。
著者
尾関 仁志 光永 拓司 藤田 淳史 松本 哲朗
出版者
山口県農業試験場
雑誌
山口県農業試験場研究報告 (ISSN:03889327)
巻号頁・発行日
no.57, pp.59-66, 2009-03

小輪タイプのユリ新品種として、「プチフィーユ」、「プチエトワール」、「プチシュミネ」の3品種を育成した。これらの品種は、山口県において2009年からの普及を目指している。各品種の特性は、以下のとおりである。1.「プチフィーユ」は、花の直径が約12cmと小さく、花色が浅橙で、花弁の斑点が少なく目立たない。2.「プチエトワール」は、花の直径が約11cmと小さく、花色が明緑黄で、花弁の斑点が少なく目立たない。3.「プチシュミネ」は、花の直径が約11cmと小さく、花色が明橙で、花弁の斑点は全くない。4.切り花栽培には、3品種とも球周8cm以上の球根が必要である。5.促成栽培では、10月下旬から11月上旬に定植すると、到花日数は「プチフィーユ」が120〜130日、「プチエトワール」と「プチシュミネ」は140〜150日となる。6.球周10〜12cmの球根を母球として増殖すると、切り花栽培用の球根が「プチフィーユ」と「プチシュミネ」は約5球、「プチエトワール」は約8球増殖される。
著者
中野 良正 平田 俊昭 加藤 博之
出版者
山口県農業試験場
雑誌
山口県農業試験場研究報告 (ISSN:03889327)
巻号頁・発行日
no.56, pp.90-95, 2007-03

1.ボラ土培地を用いたバラの循環型養液栽培では、見かけの吸収濃度から作成した循環処方を使用し、給液量と設定ECはそれぞれ夏期(6〜8月)は2000mL/株、EC1.2dS/m、冬期(12〜3月)は1200mL/株、EC1.5dS/m、それ以外の期間は1600mL/株、EC1.5dS/mでの養液管理が適する。2.循環栽培で1年経過後はボラ土のリン酸吸収が低下するため循環処方のリン酸濃度を下げた処方に切り替える。また、pHが低くなる場合はアンモニア濃度を低くし、カルシウム濃度を高くし、pHが高くなる場合はアンモニア濃度を高くし、カルシウム濃度を低くすることで養液の安定化を図る。