- 著者
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持田 誠
- 出版者
- 帯広百年記念館
- 雑誌
- 帯広百年記念館紀要 (ISSN:02898179)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, pp.11-14, 2012
帯広市在住の玉井孝明氏によって,2011年夏,百年記念館駐車場に名前のわからないキク科の外来種が生育しているとの相談が持ち込まれた。一帯には既に,この植物が大量に生育していたが,一見,キバナコウリンタンポポ Hieracium caespitosum Dumor. に花が似ていることから,これまで見過ごされていた。その後,玉井氏の文献調査によって,チシマタンポポ H. alpinum L. の可能性が疑われた。そこで,チシマタンポポに関する文献渉猟と共に,本植物の標本を採集して詳細に検討したところ,北海道野生植物研究所の五十嵐博氏の助言を得て,これはチシマタンポポではなく,ハイコウリンタンポポ H. pilosella L. であることが明らかとなった。本種は比較的新しく定着したと思われる外来種で,現在までに道内数カ所で採集・確認されている(図 1)。帯広市内からの本種の記録はこれまで無かったので,新産外来種として報告する。