著者
高木 浩人
出版者
愛知学院大学
雑誌
心身科学部紀要 (ISSN:18805655)
巻号頁・発行日
no.2, pp.61-67, 2007-03

本研究は205名の大学生を対象に,組織への帰属意識と充実感との関連について検討した.重回帰分析の結果,充実感のすべての要素(充実感,孤立感,自立・自信,自己の存在の肯定)が,大学生の所属組織への組織コミットメント3要素(内在化要素,愛着要素,規範的要素)によって説明可能であることが明らかとなった.とくに,(a)内在化要素は,充実感,自立・自信,自己の存在の肯定と有意な正の関連を示し,(b)愛着要素は充実感と有意な正の関連を,孤立感と有意な負の関連を示し,(c)規範的要素は自己の存在の肯定と有意な正の関連を示していた.今後の研究への含意が議論される.