- 著者
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原 健一
永松 美雪
中河 亜希
齋藤 ひさ子
- 出版者
- 日本思春期学会
- 雑誌
- 思春期学 = Adolescentology = 思春期学 = Adolescentology (ISSN:0287637X)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.2, pp.223-234, 2012-06-25
本研究は,中学生男女の親・教員の会話と,男女交際および性感染症に関係する知識・意識・行動の関連を検討することを目的とした。平成20年度から開始した佐賀県予防教育事業に,21年度から新たに参加した中学校のうち学校長の研究承認が得られた8中学校に調査を行った。2-3年生1746人の保護者へ説明書・同意書を配布し,保護者の同意および本人の同意が得られた生徒に実施した。調査期間は21年5月~7月である。調査内容は,親との会話の頻度,教員との会話の頻度,男女交際中の暴力認知,男女交際の意識,性感染症の知識,性行為の意識,危険行動である。佐賀大学倫理委員会の承認を得て,佐賀県予防教育事業の事前調査として実施した。調査を完了した1541人(回答率882%)の結果を分析した。男子は817人(5aO%),女子は724人(47.0%)であった。家族や中学校の教員との会話の頻度は,すべての項目で女子より男子が少なかった。男女交際において「男女の対等な関係」,「相手を思いやること」,「自分を思いやること」を大切であるという意識は,女子より男子が有意に低かった。男女交際中の暴力のうち精神的暴力は,女子より男子が暴力としてとらえていなかった。性行為を容認する意識は,女子より男子が有意に高かった。エイズの知識合計点と性行為経験者数は男女で有意な差を認めなかった。また,中学生男女の親・教員の会話と男女交際および性感染症に関係する知識・意識・行動に関連があることが示された。危険行動予防のために,親や教員との会話を増やすことが重要であることが示唆された。