著者
田中哲朗
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究会資料
巻号頁・発行日
vol.97, pp.127-132, 1997
被引用文献数
1

ここ数年の間に, メモリCPU間の広いバンド幅を利用して, 画像, 音声データを別プロセッサでなく, CPU内で処理するため, 専用の命令を持つプロセッサが現れてきた. これらのマルチメディア命令セットは, ごく小規模なSIMD命令として実現されている. そのため, 画像, 音声処理だけでなく, 複数要素に対し同一の操作を繰り返す文字列処理, 一部の記号処理操作の高速化も期待できる. 本研究ではインテル386アーキテクチャに加わったマルチメディア命令セットであるMMX命令を用いて文字列処理, 記号処理のプログラムを高速化するための技法を提案し, その評価をおこなった. その結果, チューニングが必要になるものの, 一部の文字列処理関数で、2倍以上の高速化が実現できることを確かめた. ただし, 記号処理に関しては良い結果は得られなかった.