著者
永井 信二
出版者
愛媛大学
雑誌
愛媛大学農学部演習林報告 (ISSN:04246845)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-8, 2004-03-26

2003年の8月から10月にかけて,四国におけるオオセンチコガネの分布調査を行った。調査地63か所のうち,24か所で本種の生息を確認し,合計1,185頭の個体を採集した。このうち,今回新たに生息を確認した場所は,愛媛大学農学部附属演習林,楢原山,音無山および笹山(以上すべて愛媛県)である。結果として,四国内に主要な3つの分布域があることが確認された。それらは相互に地理的に隔離された四国北西部,南西部および東部であった。各地域個体群の分布域は,その糞が主要な餌となる野生の鹿の分布と深く関連しているようであった。ついで,四国各地の個体群の体色の特徴を,新たに考察した紫がかった青色(A)から緑色(F)を経て瑠璃色がかった赤色(Q)までの17色に区別した円形色彩モデルを用いて解析した。その結果,四国全体では,色彩IからPの範疇に含まれ,四国北西部はK(濃い赤銅色を帯びた明るい緑色),L(濃い金緑色光沢を伴う紫を帯びた赤色),M(弱い金緑色の光沢を伴った紫色を帯びた赤色),南西部はL,M,N(弱い金緑色の光沢を伴った濃い紫色を帯びた赤色),東部はJ(赤銅色を帯びた明るい緑色),K,Lを中心とした色彩分布を示した。
著者
山迫 淳介 高松 陽一郎
出版者
愛媛大学農学部附属演習林
雑誌
愛媛大学農学部演習林報告 (ISSN:04246845)
巻号頁・発行日
no.51, pp.29-30, 2012-03

ヒラズゲンセイCissites cephalotes(Olivier, 1792)は,ツチハンミョウ科の甲虫で,東南アジアから日本まで広く分布し,真っ赤で鮮やかな色彩が特徴の大型甲虫である。その体液には有毒物質のカンタリジンが含まれ,皮膚に付くと,かぶれや水ぶくれなどの炎症を起こすため,衛生害虫でもある。本種は,国内では高知県ではじめて発見され,その後,高知県や徳島県で多数記録されているが,他地域ではわずかに知られている程度であった。しかし,近年になって四国のみならず,九州や関西地方にまで急激に分布を広げていることが知られており,地球規模の温暖化との関連が示唆されている(初宿,2008)。
著者
山迫 淳介 高松 陽一郎
出版者
愛媛大学農学部附属演習林
雑誌
愛媛大学農学部演習林報告 (ISSN:04246845)
巻号頁・発行日
no.51, pp.29-30, 2012-03

ヒラズゲンセイCissites cephalotes(Olivier, 1792)は,ツチハンミョウ科の甲虫で,東南アジアから日本まで広く分布し,真っ赤で鮮やかな色彩が特徴の大型甲虫である。その体液には有毒物質のカンタリジンが含まれ,皮膚に付くと,かぶれや水ぶくれなどの炎症を起こすため,衛生害虫でもある。本種は,国内では高知県ではじめて発見され,その後,高知県や徳島県で多数記録されているが,他地域ではわずかに知られている程度であった。しかし,近年になって四国のみならず,九州や関西地方にまで急激に分布を広げていることが知られており,地球規模の温暖化との関連が示唆されている(初宿,2008)。