著者
出口 拓彦
出版者
奈良教育大学教育実践開発研究センター
雑誌
教育実践開発研究センター研究紀要 (ISSN:21865841)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.81-88, 2014-03-31

本研究では、規範逸脱行動に関する行動基準・態度と逸脱頻度・規範意識の関連について検討した。大学生334名を対象に質問紙調査を行った。私語、メール、居眠り、秘密漏洩、ポイ捨ての5つの逸脱行為に対する態度について、「自分も周囲も遵守」「自分は遵守、周囲は逸脱」「自分は逸脱、周囲は遵守」「自分も周囲も逸脱」という4つの状況に対する態度について回答を求めた。これらの態度を基に、調査対象者を「遵守」「逸脱」「同調」「反対」および「中立」の5つの行動基準(e.g., Deguchi, 2013, in press)に分類した。そして、行動基準を独立変数、逸脱頻度ないし規範意識を従属変数とした分散分析を行った。その結果、「逸脱」の行動基準を持つ者は、全般的に「遵守」の行動基準を持つ者よりも逸脱頻度が高く、規範意識が低い傾向が示された。このことから、行動基準の分類方法には、一定の妥当性があることが示唆された。