- 著者
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廣瀬 友介
中本 敬子
蛭田 政弘
- 出版者
- 文教大学
- 雑誌
- 文教大学教育学部紀要 = Annual Report of the Faculty of Education Bunkyo University (ISSN:03882144)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, pp.45-56, 2013-03-01
大学生を対象とした質問紙調査により、数学の学習における学習観、公式観、ならびに学習方略の関係を検討した。その結果、数学の学習観については、意味理解志向と、学習量志向の2因子が得られた。また、公式観については、公式への困惑、暗記偏重、導き方の意義重視の3因子が得られた。学習方略については、要点理解方略と反復演習方略の2因子が得られた。これらの因子間の関係について、構造方程式モデリングによる検討を行った。その結果、意味理解志向の学習観は、公式の導き方を重視する公式観を通して、要点理解方略、反復演習方略の双方に正の影響を持つこと、学習量志向の学習観は、暗記偏重の公式観を通して公式への困惑に結びつくこと、また暗記偏重の公式観は反復演習方略の使用にのみ正の影響を持つことが示された。また、公式への困惑は2つの学習方略の両方に負の影響を持っていた。以上から、数学学習への学習観の影響について考察を行った。