著者
内田 亨
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.118-127, 2021-04-01

本稿では、まず経営学における水産養殖研究の現状を述べる。その上で水産養殖の経営学的研究が従来の経営学におけるパラダイムシフトにつがなることを提起する。つまり、従来の利益増大から限りある資源を持続的に効率よく活用していく利益継続へのパラダイムシフトである。次に水産養殖における飼料の重要性と困難性を抽出する。その結果、次のことが明らかになった。 世界的な魚食需要拡大により養殖企業からの飼料需要も拡大している。このため、飼料の原料となる小魚の漁獲も増加していたが、過剰漁獲や気候変動のため小魚の供給不足となり価格上昇を招いている。そのため、飼料会社は低魚粉の開発をするため植物原料に着手している。しかし、この植物原料である大豆は、森林伐採により作付面積増大による弊害を招く。こうした環境破壊がさらなる気候変動を引き起こすのである。また、低魚粉や植物原料の飼料は、従来の魚粉と比べ、いかに増肉係数を維持できるかまた改善できるかも問われている。一方、残さ原料を使用した飼料製造も認証機関によりトレーサビリティを求められている。飼料会社は以上のような重要で困難な状況に直面しているのである。
著者
藤瀬 武彦 橋本 麻里 長崎 浩爾
出版者
新潟国際情報大学経営情報学部
雑誌
新潟国際情報大学経営情報学部紀要 (ISSN:24342939)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-18, 2018-04-01

本研究では女子学生の理想体型を明らかにするために、形態数値の明らかな12名の女子学生モデル(BMIが15.5~25.8 kg/m2)の中から理想体型を選択させ、被験者の実測体型との関連についても検討した。被験者は女子学生322名(年齢19.8±1.9歳、身長159.5±5.6cm、体重52.9±7.9㎏、BMI20.8±2.8 kg/m2)であった。アンケートにより理想とする形態数値(数値理想体型)などを回答してもらうとともに、理想体型モデルを選択させてその形態数値を用いて分析した。現状よりも「痩せたい」と回答した女子学生は85.7%(276名)であり、主な痩せたい理由については「スタイルを良くしたい」(37.7%),「太いから」(34.8%),「着たい服があるから」(12.7%)などであった。数値理想体型は、身長161.1±4.6cm、体重48.2±4.6㎏、BMI18.6±1.4kg/m2、バスト85.4±5.5m、ウエスト60.0±4.3cm、ヒップ83.4±5.8cmであり、これらは実測体型それぞれの数値と有意な相関関係が数多く認められた。一方、理想体型モデルの数値は、脚長72.3±2.4cm(理想身長比46.1%)、指極159.1±3.7cm(101.6%)、体重43.8±5.7㎏、BMI17.8±1.9 kg/m2、バスト79.5±3.8cm(50.8%)、ウエスト60.7±2.9cm(38.8%)、ヒップ83.5±3.8cm(53.3%)などであり、これらの数値は実測体型それぞれの数値との間にほとんど有意な相関関係は認められなかった。数値理想体型とともに 理想体型モデルの数値を用いて理想とする体型の数値を求めると、身長161.1㎝、体重46.2㎏、BMI17.8kg/m2、バスト85.4㎝、ウエスト62.5㎝、ヒップ85.9㎝であり、またこれらの他には脚長74.3㎝、指極163.7㎝、上腕囲23.2㎝、前腕囲21.7㎝、大腿囲50.9㎝、下腿囲32.2㎝、足首囲21.7cmなどであった。以上の結果から、形態数値の明らかな理想体型モデルの選択によって日本人若年女性の理想体型のより客観的数値が求められ、この数値は女子学生自身の体型数値とはほぼ無関係であることなどが明らかとなった。