著者
壁島 爲造
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本微生物學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.33-35, 1922

ちふす又ハ赤痢患者ノ便ヨリちふす血清又ハ赤痢血清ニ因テ非特異的ニ凝集セラルル細菌ノ證明セラルルコトアルハ周知ノ事實ニシテ敢テ奇トスルニ足ラザルベシ反之これら免疫家兎血清ニ至リテハ全ク其趣ヲ異ニシテこれら菌以外ノ細菌ヲ凝集スルガ如キハ例外ニ屬スルガ故ニこれらノ診斷ハ凝集反應ニ據ルヲ尤モ簡易ニシテ且ツ確實ナリトハ從來一般ニ信ゼラルル所ニシテ現ニPlanethノ如クWas mit Choleraserum agglutiniert, ist cholera ト極言シテ憚ラザルアリ特ニ千九百十五年十二月ニ改正セル濁國これら教示第四版ニPfeiffer反應ヲ削除セラレタルガ如キ尤モ此傾向ノ具體化セルモノナリト謂フベシ然ルニ予ハ昨秋軍艦日進ニ發生シテ佐世保海軍病院ニ收容セラレタル數名ノこれら患者ヨリ分離セル菌株ノ送附ヲ受ケタルヲ以テ先ヅ普通寒天平板ヲ利用シテ其純粹度ヲ確ムルニ當リ石田某ノ便ヨリ得タル菌株ニ厚薄二様ノ集落ノ發生ヲ認メ兩者共ニこれら血清ニ對シ高度ニ反應セルガ故ニ或ハこれら菌ノむたちおんノ一種ナルベキカト稽へ檢索ヲ進ムルニ從ヒ一ハ型的ノこれら菌-予カ謂フ所ノ異型菌-ナリシモ他ノ厚キ集落ヲ形成セルモノハこれら血清ニ凝集セラルル一種ノぱらちふす菌ニ過ギザルヲ知ルヲ得タリ乃チこれら血清ノ呈スルぱらあっぐるちなちおんノ一適例ナリト信ジ左ニ其要旨ヲ記載スベシ
著者
長島 豊治
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本微生物學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.21, no.11, pp.2595-2607, 1927

(1) 蝌蚪血液中ニハ中性嗜好性, 塩基嗜好性, 及えおじん嗜好性白血球ノ3種ノ顆粒白血球ヲ有シ, 3種共其幼若型ヨリ成熟型ニ到ル種々ナル移行型ヲ有ス.<BR>(2) 蝌蚪流血中ニハ組織球存スルガ如シ, 而テ獨立細胞トシテ組織球ノ1特種ナル色素細胞ヲ有ス.<BR>(3) 蝌蚪淋巴球ニハ大型, 中型, 小型ノ3型アリテ形態學的諸性質ハ高等脊椎動物ノ其レニ大體類似セルモ多少猶幼若ナル性質ヲ有ス.<BR>(4) 蝌蚪血液中ニモ大單核球及移行型アリ.<BR>(5) 蝌蚪ノ中性嗜好白血球ノ原型質中ニハ<I>D&ouml;hle</I>氏封入體ニ類スル封入體ヲ有スルモノアリ.<BR>(6) 血球ノおきしだーぜハ原形質中ニモ存スルモノト思考ス.<BR>(7) 蝌蚪白血球ハ上陸前後ニ於テ著シク増加ス.而テ中性嗜好性白血球ト淋巴球トノ増減曲線ハ其ノ發育經過中ニ2回交叉ス.<BR>(8) 蝌蚪白血球ハ高等脊椎動物ノ造血第3期初期ノ像ヲ示ス.