- 著者
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肱元 茂善
- 出版者
- 日本草地学会
- 雑誌
- 日本草地研究会誌 (ISSN:04475941)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.1, pp.23-29, 1958-12-25
i)暖地洪積層松林跡地に生じた笹原の草生改良をするために,1954年7月にクロレートソーダをまき(A区)或は刈取をした(B区)後,等高線縞状に粗耕起をなし,牧野草の3種宛を組合せて交互の畦に混播した。そして1955年から1957年まで採草と追肥とを毎年4回宛行つた。ii)追播草を条播するまでの整地労力はB区の方が約4割多く,かつ3カ年を通じての生草量はA区が2割優り,その差は施業当初程大であつた。年度別収量は1956年が最大で次は1957年であつた。また季節別収量は5月が最高で次は7月,10月の順で3月は最低であつた。なお収穫した生草1貫当生産費はA区で3.6円,B区で4.2円であつた。iii) A区における追播草種の生育に異状はなかつた。そして追播した6草種の中,生草量の多かつたものは,ラジノクロバー,レッドクロバー,オーチャードグラス及びイタリアンライグラスであつた。一方笹類の再生力は年と共に漸次大とはなつたが,その生草量はA区では全草量の0.4〜1.0%,B区では約3%程度に過ぎなかつた。iv)要するにクロレートソーダによる笹原の草生改良は明らかに有効だと思つた。