著者
新井 潔 熊田 禎宣
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本都市情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.101-111, 1988-09-20

本研究では、まず選挙制度を評価する枠組を構築した。そして、市長選挙のモデルにもとづきコンピュータ・シミュレーションを実施することにより、市長選挙における選挙人選出制度について、それが有効に機能するための前提条件を明らかにした。これに引き続き、市長に対してアンケート調査を行い、シミュレーション結果の現実的意味について検討した。市長選挙は、市議会議員選挙と比較して、投票者と候補者との直接の情報交流の機会は少なくならざるを得ない。市長と直接話ができる市民は限られている。市長と市民の情報交流を現在以上に高めるために、選挙人による投票の有効性が期待できる。しかし、この場合、選挙人選出選挙における候補者が十分確保できることと、投票者と選挙人の間の情報交流が十分行われることが前提となる。
著者
松行 康夫
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本都市情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.4-13, 1988-09-20

本報文は、昭和60年11月に青山学院大学において開催された日本都市情報学会研究講演会において、「都市情報学の体系と枠組について」と題して発表された内容を中心に、その要旨をまとめたものである。本報文は、1.序、2.都市の概念枠組、3.情報の概念枠組、4.結-都市情報学の枠組、の4章より構成されている。本論は、都市の概念枠組と情報の概念枠組について個別に要括した上で、新しく生成された都市情報学について、サイバネティックスの思想を根底において、その構造と枠組に関する1つの視座を提示している。