- 著者
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木村 洋太
- 出版者
- 桜花学園大学学芸学部
- 雑誌
- 桜花学園大学学芸学部研究紀要 = Journal of the School of Liberal Arts (ISSN:18849865)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.93-100, 2018-02-28
大学全入時代の到来により、高等教育における学生の多様化が進んでいる。学生の学力低下の問題、発達障がいを始めとする合理的配慮を必要とする学生の増加の問題などに対して各高等教育機関は、これまで以上にその対策と対応、必要な修業支援体制の整備に追われている。このような社会的な背景の中で、大学教員および職員は、学生の心身・情勢の問題理解、心理的・教育的支援の在り方、相談姿勢の在り方について、再認識を求められているといえるだろう。そこで本稿では、現代大学生のこころの様相を捉えつつ、教員レベルでの学生相談の役割を再確認していくこととする。特に、青年期前半に形成される特徴的な友人関係であるチャム・グループが、大学や短期大学などの高等教育機関においてもいまだ散見されることを踏まえつつ、自由と不安の中で模索する学生たちにどのように寄り添っていくのか考察を試みる。