著者
川村 周三
出版者
文永堂出版
雑誌
獣医畜産新報=Journal of Veterinary Medicine (ISSN:04470192)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.577-581, 2005

大規模酪農では,乳牛の群管理技術と同時に個別管理技術が必要とされている。そこで近赤外分光法を用いた搾乳時のリアルタイム乳質診断技術の研究開発を行っている。試作した近赤外センサにより搾乳中の乳成分や体細胞数をリアルタイムに測定することができた。同時に搾乳1回分の平均の乳成分や体細胞数を搾乳終了時に求めることが可能となった。この技術により搾乳時に潜在性乳房炎の乳牛を診断することが可能となる。近赤外分光法によるリアルタイム乳質診断技術は,搾乳ロボットと組み合わせることにより乳牛の個別管理に利用可能であり,酪農における精密農業の発展に貢献する技術である。