- 著者
-
西村 みゆき
佐島 毅
- 出版者
- 日本理療科教員連盟
- 雑誌
- 理療教育研究 (ISSN:13498401)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, pp.11-21, 2014 (Released:2018-12-13)
- 参考文献数
- 3
視覚障害のある機能訓練指導員(以下、視障指導員)の雇用実態を明
らかにするため、東京都内特別養護老人ホーム(以下、特養)の332施設
に勤務する視障指導員を対象とした郵送質問紙調査を実施し、結果、38
名から回答を得た。現就労施設への入職者状況では介護保険法が施行さ
れた西暦2000年を境に軽度弱視者の入職が多くみられた(p<.05)。視障指
導員の業務内容に視力状況による特徴的な傾向は見られなかった。困難
を感じる業務は「文書処理」「作業療法」が上位であり、「文書処理」は
経験年数の長い者ほど困難を感じていることが示された(p<.05)。また、
盲学校・関連施設への要望として「機能訓練に関する専門知識」「パソコ
ンスキル」「高齢者に関する介護・専門知識」が高かった。これらの結果
を踏まえ、今後、就労後のフォローアップの充実を図るとともに視障指
導員育成のための教育プログラムとして機能訓練及び高齢者に関する専
門知識、並びにパソコンスキル等の内容も取り入れたカリキュラム検討
の必要性が示唆された。