著者
山田 浩之 河崎 昇司 矢沢 正士
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.18(第18回環境研究発表会)
巻号頁・発行日
pp.495-500, 2004 (Released:2007-01-12)

本研究は、水生生物の多様度・現存量および水質に着目して、アイガモ農法が採用されている水田の現状を把握し、さらに、慣行農法が採用されている水田との比較によって、アイガモ農法が水田の生物相や水質に及ぼす影響について検討した。その結果、水質に関しては、アイガモの移動に伴う水田土壌の巻上げや攪拌による懸濁物質やリンの増加、糞尿によるアンモニア態窒素の増加とその硝化による硝酸態窒素の増加が生じるという特徴があった。いっぽう、生物相に関しては、アイガモ農法水田で生物相の種数および固体数が低下する傾向があり、水田生態系を構成する生物相の多様度や現存量の低下が懸念された。
著者
吉田 登
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.18(第18回環境研究発表会)
巻号頁・発行日
pp.313-318, 2004 (Released:2007-01-12)

本研究では、最も流通する地域通貨の1つとして知られているアメリカ合衆国のイサカアワーを対象として、流通状況とその地域経済への影響を調査、分析した。まず、現地ヒアリング等によりイサカアワーの流通のしくみを図化し、イサカアワーで提供される財・サービスのメニュー数の推移を把握した。次に、年間の取引内容及び金額について、主要ユーザーヘのアンケート及びインタビューにより調査した。分析の結果、イサカアワーは年間に約1万1千アワー(約1200万円相当)の流通規模を有すること、また産業連関分析を用いて推計した地域通貨による乗数は1.34であり、郡経済の乗数1.2を上回る地産地消の効果を有することを明らかにした。