著者
川﨑 昌 高橋 武則
出版者
目白大学
雑誌
目白大学経営学研究 = The journal of management Mejiro University (ISSN:13485776)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.63-76, 2020

近年、インターネットの普及にともない利便性の高いオンラインアンケート調査を容易に利用できる時代となった。本研究では、事前オンラインアンケートを踏まえて質の高い調査を設計するための方法論とその適用事例を示した。調査法の教育における適用事例では、はじめに調査の準備として4つの図:概念図、特性要因図、パス図、および解析模型図の説明を行った。次に、受講生自身が受講前に回答したオンラインアンケート調査データを用いて、選抜型多群主成分回帰分析による解析方法をナビゲーションマニュアル付きで解説した。その後、最初に準備した4つの図の改善や調査票のレベルアップ、改善前後の調査結果を比較し、考察を行った。これらのことから、利便性の高いオンラインアンケート調査を計画的に活用することで、質の高い調査設計につながることを示した。さらに調査法の教育において、この方法論の活用が有効となり得る可能性が示唆された。今後の課題は、質の高い調査の設計につながる方法論の改善とその実践教育の効果検証である。