著者
渡辺 弘之 本間 弘行
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
看護研究交流センター事業活動・研究報告書
巻号頁・発行日
vol.15, pp.89-90, 2004-06

「こころの病い」は現代におけるキーワードの一つである。こころの病いから生じる生きにくさをどう捉え,受け入れているのか.回復まで過程において,自己の経験をどう客観化することは,自分にとっての病いの意味を考えるだけでなく,自分自身を知る手がかりともなる.「語り」を通した体験の共有化や,内面的世界を表現することは,病いを通して自己を捉える作業が回復の手がかりとなりうる.
著者
吉山 直樹 佐々木 美佐子
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
看護研究交流センター事業活動・研究報告書
巻号頁・発行日
vol.15, pp.11-16, 2004-06

●背景:本県では地域的な医師充足不足が大きな問題となっている.我々は医師不足の問題解決の困難さは,医師の自己実現をめざす対処行動についての分析を欠いた対策に終始していることに存在するとの仮説のもとに,研究を重ねてきた.本研究は,医師の職場選択時にそれを支配する因子の分析を試み「医療専門職のライフコース(Pass of Life)研究」とし,医師が人生の節目において選択を誤らないことが自己実現には欠かせないことを強調したい.研究者自身の体験も呈示した.●方法:ある臨床教室に所属する30歳~70歳代までの医師221名.次の時点での進路・職場選択に関する去就に関与する因子につき,検討した.卒業時,研修終了時,専門医訓練終了時,アカデミズムの限界自覚時専門医としての限界自覚時,医療機関での管理職登用時,感性・気力・体力の減退自覚時等.調査は,過去の所属教室(医局)における人事晩アンケートおよび聞き取り調査の結果に基づく.研究者自身の職場選択に関する過去の決定因子も示し考察を加えた.●結果:対象者のうち,正規の修練を終わって転出した141名を調査対象とした.アカデミック・ステータスへの能力不足を自覚したもの87名,教室(医局)人事だから仕方ないと受けとめているもの73名,人事に不満があったと明言しているもの25名,上司に問題があったとするもの10名,研究グループ内・同僚間での抗争12名,診療過誤等と考えられるもの4名であった.B医師の転職意志決定因子については,44歳から56歳までの4回の転職時のデータでは,教部幾把や経営の開襟もあるが(それぞれ2回),診療体制上の問題(4回)かトップ・マネジメントの問題(3回)が多かった.相談する相手もなく,また,この医師が派遣元の教室(医局)を持たなかったことも着目される.●結論:比較的若い世代にあっては,脱アカデミズムのロール・モデルを新たに発見できる恥が人事の決定因子と言える.中高年の世代では,診療体制の整備と適正な本人・周囲のリーダーシップが決め手となっていると推定される.