著者
清水 宏美 沖増 英治
出版者
福山大学
雑誌
福山大学生命工学部研究年報 (ISSN:13473603)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.17-27, 2003-09

ヒラメ成長ホルモン遺伝子にDNA多型があること,そして成長ホルモン遺伝子のハプロタイプとゲノタイプの種類とその発現頻度の違いが体重別グループで明らかになった。ヒラメの成長ホルモン遺伝子において認められたDNA多型は成長特性に何らかの影響を与えているのではないかと考えられる。ヒラメの成長ホルモン遺伝子におけるSau3AI断片多型のさらなる詳細な構造解析,ならびにRFLPと成長曲線の相関性を明らかにすることにより,マーカー選抜育種の応用に役立つと考えられる。成長ホルモンは,その成長促進活性に加えて浸透圧調節,電解質バランス調節,他の代謝機能等を含んでいるため,成長ホルモン遺伝子はクローニング,シークエンスが行われ,その発現の研究が盛んに行われている遺伝子の一つである。体の大きさの違いにより成長ホルモン遺伝子多型が認められ,遺伝マーカーとしての利用が可能になれば,マーカー選抜育種の一助になると考えられた。