著者
生田 淳一
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第4分冊, 教職科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. 福岡教育大学 編 (ISSN:02863235)
巻号頁・発行日
no.67, pp.49-55, 2018

本研究の目的は,学生の質問力を育成するための授業法などの開発に向けた実践研究として,自己発問を 求める授業を計画・実施し,その効果を検討することである。大学の講義(モチベーションの心理学)の受講生112名を対象に,質問力の変化について分析した。その結果,文章を読み質問を生成する事後テストにおいて質問を記述する学生が増加するが,効果は限定的であることがわかった。しかし,質問を促進するような認識的信念の変化が一部で見られたことから,自ら生成した質問に対して,その問いに答える(自問自答)の活動を通して,さらには,その自問自答を授業の中で共有し価値づけていくフィードバック活動を充 実させることを通して,学生の質問力を育成することができる可能性が示唆された。