- 著者
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押岡 大覚
鎌倉 利光
寺原 美歩
- 出版者
- 聖泉大学紀要委員会
- 雑誌
- 聖泉論叢 = The Seisen review (ISSN:13434365)
- 巻号頁・発行日
- no.24, pp.33-44, 2017
本研究は,コ・ファシリテーター方式,3日間の通い形式により実施した第2回フォーカシング指向グループ("Focusing-oriented" Group:以下,F.O.G.)参加者から得られた《満足した点》及び《不満足な点・心残り・気がかり》に係る自由記述について,テキストマイニング及び多変量解析による分析を施し,F.O.G.のグループ・プロセスに関する仮説の生成を目的とした.その結果,「他者との関わり感覚」,「他者のフェルトセンスの感受」,「場のフェルトセンスの感受」の3要因による好循環を基盤とした「フェルトセンスの言語化」による体験的相互作用の経験が,F.O.G.において満足感を覚えるに至るグループ・プロセスである可能性が示唆された.一方,F.O.G.参加者は「他者との距離感」及び「自己の発信が出来ない」という2要因の悪循環の経験が,F.O.G.において参加者が不満足や心残り,気がかりを感じるグループ・プロセスである可能性が示唆された.ただし,これらの仮説は第2回F.O.G.モデル構成から得られたものであり,これまで,あるいはこれ以降実施されるF.O.G.モデル構成全般に汎化して考えられるか否かについては,一定の保留が必要である