著者
大内 和彦 長谷川 牧 林 玉子 林 悦子
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
聖隷クリストファー大学社会福祉学部紀要 (ISSN:13481975)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.87-101, 2003-03-31

聖隷集団の事業展開とグループ形成の過程について文献およびヒアリング調査等により検討し,その成長と変化に影響を及ぼす外的・内的要因を明らかにすると同時に,また日本の社会福祉事業の中における位置付けについても考察を加えた。それにより聖隷事業の歴史は事業内容の性格・規模から4期に分けられ,また集団形成のパターンは集団への参加の過程と要因から6種類に分類された。今後の福祉施設の成長・変化に関する研究を継続する上で有益となる基礎資料が得られた。
著者
大澤 史伸
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
聖隷クリストファー大学社会福祉学部紀要 (ISSN:13481975)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.49-58, 2005-03-31

近江兄弟社グループ(本部:滋賀県近江八幡市)は、明治43(1910)年にアメリカ人であるW・M・ヴォーリズ氏(以下、ヴォーリズと略す。)によって誕生した。ヴォーリズは近江兄弟社のミッション(使命)である「信仰と事業の両立」を実現するため、商売で儲けた資金を社会奉仕に投入する。こうして、近江兄弟社グループは、現在までに、企業(家庭常備薬「メンソレターム」(現・「メンターム」)の販売、建築設計事務所)、教育活動(幼稚園から高校)、医療保健福祉活動(ヴォーリズ記念病院)、文化伝道奉仕活動等を擁する一大グループ事業団体となった。しかし、ヴォーリズの死後、その中心的な働きを担っていた株式会社近江兄弟社は事実上の倒産をすることになる(その後、近江兄弟社は、奇跡的な復活を果たす)。近江兄弟社グループの事例は、創業者の精神をどのように継承していくのか、ミッション(使命)とマネジメント(運営管理)の評価の大切さと組織作りの重要性について私達に教えてくれる。
著者
春名 苗
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
聖隷クリストファー大学社会福祉学部紀要 (ISSN:13481975)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.17-27, 2007-03

本論文では、在宅介護支援センターの創設から現在までの変遷を、基礎作りがなされた「創設期」、地域に定着し機能が拡充してきた「定礎期」、介護保険導入の検討で混乱した「変動期」、居宅介護支援事業に傾注しながらも再構築が試みられた「再編期」、介護保険の見直しと共に統廃合の危機にさらされてきた「不穏期」、介護保険改正案が出されて地域包括支援センターが法制化された「混乱期」、と6つの時期区分に沿って整理している。それによって在宅介護支援センターが今まで果たしてきた役割を検討するとともに、在宅介護支援センターの機能と地域包括支援センターの機能の違い、地域包括支援センターを取り巻く問題を論じている。