著者
石塚 直樹
出版者
農業環境技術研究所
雑誌
農業環境技術研究所報告 = Bulletin of National Institute for Agro-Environmental Sciences (ISSN:09119450)
巻号頁・発行日
no.34, pp.81-100, 2015-03

本研究では、衛星リモートセンシング技術を用い、2011年3月11日の東日本大震災にともない発生した福島第一原発の事故による農地の放射性物質汚染の評価に資するため、2011年の福島県および隣接県における農地の環境状態の把握を試みた。光学高分解能衛星画像を用いることで、事故後約1ヶ月を経た農地の地表面状態を判読した。また、2011年度産の湛水圃場を衛星画像から検出し、分布状態を把握した。ここでは、天候に左右されずに確実に観測可能なSARを用いて湛水期に観測を行うことで、福島、茨城、栃木、群馬、宮城という広域の約320万筆以上の農地に対し湛水判別を行い、湛水分布図を作成した。この結果は、農地土壌における放射性物質濃度分布図を作成する上で利用された。