著者
Takahashi Ryoko
出版者
金沢大学人間社会研究域人間科学系
雑誌
金沢大学人間科学系研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Sciences, Kanazawa University (ISSN:18835368)
巻号頁・発行日
vol.8・9, pp.30-43, 2017-03-31

障害者政策の進展とともに,政策形成の場への当事者参加が進み,その体制が整えられてきた.本論では,エスピン‐アンデルセンが先進諸国の社会保障の特徴をふまえて提示した福祉レジームの類型に基づいて,社会民主主義レジームに分類されるフィンランド,自由主義レジームに分類されるアメリカ合衆国,保守主義レジームに分類されるとする日本において,障害者政策の歴史,障害のある当事者組織の形成と運動の発展,政府との関係と参画のあり方を比較検討し,障害のある当事者組織の政策形成への参加を促進する背景と条件について考察した結果,障害のある当事者組織が果たす役割と障害種別を越えた国内外のネットワーク化という共通性を確認した.