著者
元木 悟 上杉 壽和 小澤 智美
出版者
長野県野菜花き試験場
雑誌
長野県野菜花き試験場報告 (ISSN:02861321)
巻号頁・発行日
no.12, pp.19-29, 2006-03
被引用文献数
1 4

長野県におけるアスパラガスの作型は,露地栽培,ハウス半促成栽培,伏せ込み促成栽培が分化しており,伏せ込み促成栽培を除き,春だけ収穫する普通栽培,夏から秋の収穫を加えた2季どり栽培,春から秋まで連続して収穫する長期どり栽培が普及している.しかし,長期どり栽培は,立茎方法や収穫期間が従来の2季どり栽培とは異なるため,これに適応した立茎方法と,適正な立茎数を明確にする必要がある.そこで,本試験では,寒冷地のアスパラガスの露地長期どり栽培,ハウス半促成長期どり栽培において,立茎方法および立茎数が収量に及ぼす影響について検討した.1.長期どり栽培では,2季どり栽培より2~3週間早く春どりを打ち切り,2季どり栽培の株養成期間も連続して収穫を続けることで増収した.2.長期どり栽培の立茎方法には,一斉立茎,順次立茎があり,いずれの立茎方法でも収量に差がなかった.3.長期どり栽培の株養成量やGI'は,2季どり栽培より多く,翌春の春どりが増収した.4.長期どり栽培の適正な立茎数は,株当たり5~6本であった.