著者
上長 恵里
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 = Bulletin of Kansai University of Nursing and Health Sciences (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.63-70, 2019-03

【目的】失語症者のコミュニケーションに焦点をあて、失語症者やその介護者に対して看護師がどのような援助や看護介入を実施しているのかを明らかにする。【方法】失語症の看護文献を医中誌WebとGoogle Scholarから検索し、国内文献10文献、海外文献2文献の合計12文献を分析の対象とした。【結果と考察】失語症の看護研究は介護者を対象にした研究がほとんどであり、失語症者自身を対象とした研究はほとんど行われていなかった。また国内においては慢性期や在宅失語症者に対する研究がほとんどであるが、海外では急性期失語症患者の問題に関しても看護師が積極的に介入していることも明らかになった。今後は失語症者が経験している問題や困難を、発症後から経時的に明らかにする必要がある。また失語症者の言語障害を定量的に捉えることで看護の成果も表現することができ、看護介入の具体化とその評価が可能になると考えられる。(著者抄録)
著者
曽我部 美恵子 大原 良子 安東 由佳子
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 = Bulletin of Kansai University of Nursing and Health Sciences (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-47, 2018-03

M大学の看護学生の看護臨地実習における認識の特徴を他学の大学生と比較し明らかにすることを目的に量的記述研究を行った。編入生・助産専攻学生を除く看護大学生を対象に、「日本語版実践力上昇尺度」を用いて2015年6月〜2016年3月に自記式質問紙でデータを収集した。M大学を含む5校の大学から協力が得られ、有効回答343名のデータを使用した。M大学生と他大学生の比較では、10項目に有意差を認め「実習指導者は、ずっと同じ人だった」「患者へのケアが学内で学んだものと違うときは、臆することなくそれについての意見を述べられた」「指導者は日々の実習終了時に、私の行った援助に感謝してくれた」「実習によって、看護師になる自信がついた」において、有意にM大学生が高いという結果であった。また、M大学生間の性差で有意差を認める項目は存在しなかった。看護師課程と保健師課程の比較では、「実習によって看護師になる自信がついた」は保健師課程の学生が有意に高く、「実習中、不安を感じた」「実習は苦しい体験だとわかった」など否定的な内容を問う5項目で看護師課程の学生が有意に高かった。