著者
野田 啓良
出版者
香川県農業試験場
雑誌
香川県農業試験場研究報告 (ISSN:03748804)
巻号頁・発行日
no.61, pp.35-41, 2010-03

スモモ「メスレー」の追熟に及ぼす温度とエチレン処理の影響について検討した。1.20℃、25℃、27.5℃、30℃で追熟したところ、20℃では果肉の軟化や着色等の追熟現象に伴い呼吸量とエチレン生成量が増加した。25℃ではエチレン生成量は増加しなかったが、追熟現象は進んだ。27.5℃では果肉の軟化は進んだが、着色は抑制された。呼吸量やエチレン生成量は増加しなかった。30℃では果肉の軟化や着色が阻害され追熟現象は進行せず、呼吸量の増加やエチレン生成は認められなかった。2.500ppmエチレン処理すると、20℃および25℃では追熟現象の進行に伴い、呼吸量とエチレン生成量は増加したが、27.5℃以上ではエチレン生成量の増加は認められなかった。30℃では果肉の軟化や着色の進行も認められなかった。3.30℃、エチレン濃度500ppmの環境に保持すると、果肉の軟化や着色が進行し呼吸量は増加したが、エチレン生成量の増加はわずかであった。4.20℃で16時間、250ppmエチレン処理をして、30℃へ移行させると、果肉の軟化や着色が進行し呼吸量は増加したが、エチレン生成量の増加はわずかであった。
著者
宮下 武則 森 芳史 村上 優浩
出版者
香川県農業試験場
雑誌
香川県農業試験場研究報告 (ISSN:03748804)
巻号頁・発行日
no.57, pp.1-10, 2005-03

移植期と施肥法を変えた3年間の栽培試験結果を用いて、登熟期の気温が「ヒノヒカリ」の玄米品質とタンパク質含有率に及ぼす影響を検討した。1.「ヒノヒカリ」は、登熟期間中に高温に遭遇することによって玄米品質が低下しやすい品種である。登熟期の平均気温が24℃を超える場合、あるいは出穂後10日間の平均気温が27℃を超える場合は、主に高温の影響で玄米品質が低下する。2.登熟期の平均気温が23-24℃の場合は、単位面積当たり籾数の過剰によって玄米品質が低下する。この温度域で玄米品質を確保するためにはm2当たり籾数を2万8千粒以下にする必要がある。3.タンパク質含有率は、施肥窒素量だけでなく登熟期の気温によっても変化し、平均日最低気温が17℃以下もしくは平均気温が22℃以下の時は、それ以上の気温の時よりも低くなる。4.気象生産力指数から推定した香川県の平坦部における玄米品質と食味の向上のための最適出穂期は、8月30日から9月3日までであった。