著者
長谷川 耕二郎 福田 富幸 北島 宣
出版者
高知大学
雑誌
高知大学学術研究報告. 農学 (ISSN:03890473)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-23, 2003-12-25

雌雄同株のカキ'西村早生','禅寺丸'を供試して2年枝単位に満開前2週間と満開時の結縛処理を行い,結縛処理が雄花と雌花の花芽分化と花芽発育,および花芽数に及ぼす影響,ならびに新しょうの乾物率に及ぼす影響について調査した.結縛処理には1.6mmの被覆線を用い,処理開始後50日後に被覆線を取り除いた.1.満開前および満開時の2年枝結縛により,'西村早生'と'禅寺丸'における雄花と雌花の花芽はそれぞれ5月30日と6月9日に分化し,一方,対照区の雌花の花芽はそれぞれ6月9日と6月22日に分化した.2.満開前および満開時の2年枝結縛により,'西村早生'と'禅寺丸'における雄花と雌花の花芽は6月中旬または下旬までにがく片形成または花弁形成の段階に発達したが,7月初旬以降11月中旬までの花芽の発達は花弁形成以降の段階までは進まず,両結縛処理区と対照区との差違はなくなった.3.満開前および満開時の2年枝結縛により,'西村早生'雌花の花芽数と'禅寺丸'雄花の花芽数は対照区に比べて増加した.4.満開前および満開時の2年枝結縛により,'西村早生'および'禅寺丸'の新しょうの乾物率はそれぞれ5月下旬と6月上旬に急激に増加し,両品種の結縛処理区の乾物率は対照区に比べて,5月上旬から6月中旬まで高くなる傾向がみられた.以上のことより,'西村早生'および'禅寺丸'において,満開前および満開時の2年枝結縛処理が新しょうの乾物率の増加を促進し,両品種の花芽分化を早めるものと考えられた.