著者
口岩 聡
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001 (Released:2001-04-01)

1.ダイオキシン摂取の次世代影響を調べるため雌マウスにダイオキシンを慢性的に経口投与して胎内蓄積を起こさせた後、妊娠させ産子を得た。産子の外観や成長には異常が認められなかったが、接触刺激に対し過敏性を示すなど、行動に異常が現れた。行動異常が出現した動物では、脳内のセロトニン産生細胞が著しく減少していた。このことは、胎盤および母乳を介してダイオキシンに汚染された子どもの脳にセロトニン異常が発生し、それが行動異常を起こす原因となる可能性を示唆している。2.ダイオキシン致死量1回投与を受けたラットでは、投与後摂食障害が現れ、著しい体重減少が起こった。このラットの脳内では、扁桃核中心核、分界条床核、室傍核、内側視索前核、視床下部内側核にc-Fosタンパクの発現が見られた。これらの神経核は摂食の調節に関係しているので、ダイオキシンによる摂食障害はこれらの神経核が障害を受けるためと推察された。3.またこれらのダイオキシン急性投与を受けた動物では、視床下部外側野、室傍核、脳弓周囲核において一酸化窒素合成酵素の活性低下が認められた。これらの領域も摂食に関係する部位であり、一酸化窒素は摂食行動に関係する伝達物質である。ダイオキシンは一酸化窒素系に影響を与え、摂食行動を障害する可能性が考えられた。4.またこれらの急性投与動物において扁桃体核、内側視索前核、淡蒼球、分界条床核においてエンケファリン免疫活性増強が認められた。以上の結果は、ダイオキシンは胎盤、母乳だけではなく、成人でも大量に摂取すると脳異常ひいては行動異常が現れることを示している。

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